ホタルの豆知識

ホタルはなぜ光るの?
【構造編】

電球のように光を出すものは同時に熱もだします。ところが、ホタルの出す光は決して熱が出ません。そのため冷光と呼ばれています。この不思議な光は、ホタルの体の中でいったいどのような仕組みで作り出されているのでしょうか。ゲンジボタルの発光器には、発光細胞と反射細胞の二層からなる発光組織があり、その中に血管と毛細血管が入り組んでいます。発光細胞は実際に光を出すところです。ここで「ルシフェリンとルシフェラーゼ」という物質が化学反応をおこして光を作ります。そして、作られた光は反射板の働きをする反射細胞ではね返され、体の外に送り出されるのです。

ホタルはなぜ光るの?
【生態編】

ホタルは何のために光るのでしょう。オスとメスが交尾のために出会う時のための信号だろうということは、古くから想像されていました。でも、光の明滅にどのようなリズムがあり、また、オスとメスの明滅の仕方がどう違うかなどは、まだあまりよくわかっていませんでした。しかし、多くの研究者たちの実験によってホタルの光の意味やリズムなどが、だんだん明らかにされています。特にヒメホタルの場合は、オスとメスの出会いの信号であることがほぼ明らかです。お互いに瞬間的な強い光を出して合図を送り合います。光のリズムは、断片的で、単調な明滅の繰り返しです。

ホタルは何を食べるの?

幼虫は昼の間じっと水底の石の下などで休み、夜になると獲物のカワニナを探しに出歩きます。カワニナをつかまえると、幼虫は鋭い大あごで噛みついたままカワニナの殻の中に頭を突っ込んで食べ続けます。成虫になると何も食べません。水分を取るだけです。幼虫のとき取った栄養が、たくさん体内に残っているから大丈夫なのです。

ホタルの住む環境は?

川にいつも豊富な水が流れていて、しかもエサである大小さまざまな巻き貝がたくさん住んでいる必要があります。巻き貝が成長するためには、藻類などの植物性のエサが必要です。さらに、藻類は魚の排泄するフンをはじめ、水中に溶け込んでいる有機質の栄養をとり入れて繁殖しています。それだけではありません。ホタルが産卵したり、サナギになるためには川岸に柔らかい土などが必要です。また、田畑で使われている化学肥料や農薬が川に流れ込むと、ホタルの幼虫は死んでしまいます。こうしてみると、1種類のホタルを増やすために、いかに多くの生物とのつながりや環境が重要かがわかります。


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