真上からみたところ

考古資料(昭和62年3月10日指定)

じょうもんどき     ちゅうこうびん
縄文土器 注口瓶 一口 大字井田 渡辺 誠

 瓶形をしており、上部に広口の口縁部、前面には上に向くように注口部が付されている。口縁から隆線にかけて、橋状把手がついており、肩が張っていることがよくわかる。胴部上半には沈線文(紋)の文(紋)様帯が、下半は無文(紋)でヘラで磨かれている。これらはいずれも縄文後期の特徴を如実に示している。注口部はわずかながら欠失している。
 形状、文様に気品さが見られることから、本瓶は儀式などに用いられ、日常生活には使用しなかったと考えられる。収納もおそらく日常生活用具と別に格納されれていたため、生活用具は破損消滅したが、本品は完全な姿で発見されたのではないかと思われる。
 この土器は所有者の先代当主故渡辺藤吉氏が昭和7年頃、揚枝潟客土のため水路掘削中、井田長表地内の所有する水田地下約1mで発見した。付近には井田山丘陵地帯を含め、夷塚とよばれる遺跡があり、以前より土器片が発見されていたが、夷塚遺跡はすでに開発によって埋滅している。



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