稲場塚古墳測量図

 

史 跡(古墳)(平成6年12月9日指定)

いなばづか  こふん
稲場塚古墳 一基  大字山岸字稲場

 西に弥彦山と矢川の沖積平野、東に広大な新潟平野を見晴らす南北に長い井田丘陵の東縁部に位置している。古墳の頂上の海抜標高は45.33m、麓の水田からの高さは約37mである。この丘陵の広々としたブドウ畑の中で古墳の周辺だけが山林として残され、墳丘の一部は墓地に利用されている。
 平成4年、新潟大学の甘粕健教授を中心とする調査団の手で測量調査が実施された。その結果、墳長26.3m(菖蒲塚1/2)の前方後円墳であることが判明した。この古墳は高さ1.72mの後円部から高さ1.28mの低くて細長い長方形の前方部が北東に伸びる「柄鏡形(えかがみがた)」で、越後では最も古い部類に属する古墳である。
 古墳の各所で土器《土師器(はじき)》の破片が発見され、その数は137点に達した。中には赤色の彩色を施したものもあり、古墳の上で行われた葬祭に使われた名残りと思われる。このような風習も前期古墳の特徴である。後円部の上部が削られて段になったところからそら色のガラス小玉も発見された。かつて棺の一部が削られて、内部からころがり出たものと思われる。
 また、土器の中に弥生時代後期のものが採集されたことから、当地が弥生時代の高地性集落の可能性も指摘された。




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